このタイミングであえて個人的ニコメドの作り方を紹介してみる。【第2回ニコメド記事投稿祭】

こんにちは、Ketokuです。

第2回ニコメド記事投稿祭を自ら開催したのはいいのですが、自分で書くネタがないことに告知してから気づきました…。

いろいろ頭をひねってみましたがなかなかアイデアが出てこないので、ここは原点に戻って個人的ニコメドの作り方を書いてみようと思います。

前提条件

  • コンセプト重視、全体構成重視の作風です。
  • 良い繋ぎと良い重ねがいまいちよくわかっていません(言語化できていません)。

1. 着想

まずは作りはじめのきっかけからです。

最近はコンセプト重視の作風で作っているので、大抵コンセプトから手をつけます

ただし、毎回すんなりコンセプトが浮かんでそこから全体構成が決まるというわけではありません。使いたい曲だったりやりたい演出だったり、そういったものを日頃から集めておき、それ全部をまとめられるようなコンセプトを考えることも多いです。

アパッショナータの場合だと、「ニコメドっていう媒体の面白さを追求する」みたいなコンセプトですが、最初からバシッと決まっていたわけではありませんでした。最初はバラードゾーンだったり流星群ゾーンであったり、そういうやりたいことがいくつかあったので、それをうまくまとめたコンセプトを考えた結果、こんな感じになったというわけですね。

2. 選曲

コンセプトが固まったら、選曲リストを作成します。選曲リストを作らずに制作する方も多いと思いますが、個人的には選曲リスト制作は必須の作業です。理由としては、構成をコンセプトに沿わせる必要があるのと、あんまりみんなが知っているような曲を聞いているわけではないため、パッと繋ぎを思いつかないことが挙げられます。

選曲の際に注意することは、下の3つでしょうか?

1. コンセプトに沿っているか
言わずもがなですね。どうしても入れたい(入れる必要があったり、個人的な趣味だったり)場合は、コンセプトを微調整したり構成を微調整して整合性を持たせていきます。

2. 知名度
基本的にニコメドという媒体が好きでメドレーを作っているので、製作中のニコメドの魅力が伝わるような選曲を意識します。知らない曲と知らない曲繋いで「良い繋ぎなのかな?」とか思われるのは嫌ですね。ただし、後述しますがニヤリとできる選曲も大事にしていきたいと思っていますので、知名度が高い曲で統一するわけではありません。

3. 曲の持つ文脈
音楽的な特徴だけでなく、その曲の持つ背景の特徴を活かしてあげることで作品としての深みが出ると思っているので、コンセプトによりけりではありますが文脈はしっかりリサーチします。

3. 全体構成

選曲ができたら全体構成を作っていきます。

基本的にはコンセプトを体現するような全体構成を意識していきます。例えばアパッショナータだと前半後半でガッツリ分け、前半は普通のメドレーっぽく、後半はニコメドという媒体の面白さを追求するように設計しています。このギャップがあることで、コンセプトを鮮明に浮かび上がるのではないか、という意図がありますね。

4. ブロック作成、配置

具体的に曲を配置していくときはブロックごとに作っていきます。3~10曲ぐらいの曲を繋いでブロックを作り、それを繋げることで全体構成とします。

ブロックの構成もだいたいパターンがあります。A-B-サビであったり、1始まり-4始まり-6m始まりであったり。
メドレーの良い構成/悪い構成なんて後天的に獲得されたものでしかないので、今まで投稿された有名所のニコメドを聞いて先人が作り上げてきた「多数の人が自然だと思うようになってしまった展開」をガッツリ参考にします。無からブロックを作れるようなセンスはありませんね…。

ブロックにおいては抑揚を大事にして曲を配置していくのですが、その際の抑揚として意識するものは以下のようなものが挙げられます。

1. コード進行
ブロックはコード進行を軸に考えることが多いです。4拍ごとに切り替わるコード進行と2拍ごとに切り替わるコード進行をどう織り交ぜるか、どういうコード進行を混ぜたら勢いが出るか、などをコード進行ベースで考えながら作ります。その関係で、リハーモナイズ(コード改変)は他の方より多くなっているかと思います。

2. 曲の背景・知名度
「ここでこの歌詞を映えさせたいなぁ」とか「この曲のこういうバックグラウンドをうまく強調したいなぁ」などと考え、それを実現できるように曲を配置します(難易度高め)。
カオス系PVとかを付ける場合、動画のことを考えながら組むのが必須レベルです。
また、ずっと知名度が高い曲を繋げてもいいのですが、アンセムと若干隠れた名曲を織り交ぜると面白いと思っています。基本的にサビのみでメドレーを作りますが、あえて「ここ美味しいよね」って言われる部分を採用したり(アパッショナータのクワガタにチョップ(ryとか)。

3. メロディの音域
基本的にはメロディの音域が高いほど勢いが出やすいです。ブロック中の抑揚に合わせてメロディの音域を調整します。

4. アウフタクト(弱起)
アウフタクトとは小節前から始まっているメロディの部分のことです。前の曲のメロディと極力被らないように、うまく繋がるように組んでいきます。

逆に、あんまり原曲キーとかは意識しないことが多いです。

このように、構成するときにリハモや抑揚も一緒に考えていく必要があるため、原曲を並べて構成を作るようなことはできません。そのため、簡易的に耳コピして打ち込みながら構成を考えていきます。そしてこれが耳コピミス頻発の原因でもあります

上に挙げたように、私のメドレー制作は常に縛りとの戦いです。そのため、ブロック製作中は、大抵「次に繋げる曲がない」という状態が頻発するので、それを解決するようにブロックを組み替えて修正していきます。その過程でコンセプトや全体構成が崩れることもあるため、そこでも微調整が必要ですね。新しい曲を探してこれるようなコンセプトならいいのですが…。
ここが一番長く大変なところですが、諦めずに頑張ることが必要です。このへんをうまく自動化できたらなぁ…

4. アレンジ

たまに構成意図からアレンジを指定されるときがありますが(アパのバラードとか)、基本的には自分の好きな音を使ってアレンジします

構成の抑揚や意図をちゃんと再現することさえ意識すればあとは好きにやっちゃって大丈夫なイメージですね(うまくアレンジできるとは言ってない)。

5. おわりに

だいたいのニコメドの制作方法を紹介しました。解説のために過程を分けて紹介しましたが、実際はすべては有機的に繋がっているため行き来しながら制作することが多いです。

なかなかこういう作り方をする人はいない気がしますが、制作の参考になれば幸いです。