ニコニコ・アパッショナータ 動画対談 #1【ユーザー情報非公開×まるく×えむくろ×にしたけ×Ketoku】

こちらは、ニコニコ・アパッショナータの動画関係者による対談記事となっております!ぜひ本編をご覧の上、お読みいただければと思います!

www.nicovideo.jp

また、非常に長い対談となってしまったため、3分割でお届けします。関連記事はこちら

ketoku.hatenablog.com

ketoku.hatenablog.com

ketoku.hatenablog.com

ketoku.hatenablog.com

今回は、アパッショナータに関わったユーザー情報非公開さん・まるくさん・えむくろさん・にしたけさんをお呼びし、制作の裏話やニコニコメドレーのPV制作のときに考えていることなどをお伺いしました!

自己紹介

ひとまず皆様、制作お疲れさまでした!!

お疲れさまでした~!

オツカレサマドスエ!

お疲れ様でした

おつかれさまでした。無事に完成してよかったです…!

本当に完成してよかったです…。一時はどうなることかと思っていました。
ひとまずユーザー情報非公開さんから自己紹介をお願いします!

ユーザー情報非公開です!メドレー作者です!

ありがとうございます!ユーザー情報非公開さんは主に前半のパートを担当してくださっています。

次に…まるくさん!

まるくです! 主に人様のメドレーの動画を作らせていただいたり、たまに自分でメドレー作ったりもしてます!
最近はメドレー以外の動画も作ってます!!!!!(ここ重要)

まるくさんはバラードとカオスゾーン以降を担当してくださっています。PVとかも最近はよく作っていらっしゃいますよね

ですね~

次にえむくろさん!お願いします!

はいどうも、えむくろです
無節操に色んな事やりまくってます、あまり御存知無いかもですがVTuberにも手を出してます!

えむくろさんは流星群パートを主に担当してくださっています。音MADのイメージが強いですが、ジャンル隔てなくいろんなところで活動されていますよね。

今年は『八百万のニコニコ動画』出しましたね 来年は音楽モードに専念したい感じです、具体的にはメドレー3本計画してます

年に3本は強いですね…! では最後に、にしたけさん、お願いします!

動画監査を担当しましたにしたけです。 具体的には…そうですね、映像のアイディアや動画提案したりとか、提出動画見て感想とか意見言う人になってました。

にしたけさんには僕の目が届かない動画のチェックやアイデア出しなどを行っていただきました。

なんというか、Ketokuさん含め5人の中で唯一手を動かしてない人です

にしたけさんはニコニコの動画の知識が凄くて、知識は武器だということをはっきり思い知らせてくれたので、手を動かしてないといえども…笑
最後に、主宰のKetokuです。マクロスパート〜カオスゾーンまでの動画も担当しました!

制作スタート

そもそも、このメドレーをこんな体制で動画作りたいって相談したのがユーザー情報非公開さんでした。
あれいつ頃でしたっけ?

なんか去年から聞いてたと思いますね…

なんかオフ会でバラードゾーンの構想をお話したような気がします。

結構前から話は聞いてたんですけどなかなか動画制作に入れなかった覚えがありますね(笑)

そうなんですよねー。なかなか構成ができあがらず…
「アパッショナータ」っていう名前のCubaseのプロジェクトを最初に作ったのが2018年中旬で、本格的に手を付け始めたのが2019年の最初とかだったので、かなり時間がかかってしまっていますね…。

Discordのログ見たところ、今年の1/13に動画チャットが始まってたようですね。

で僕が動画作り始めたのは今年の2月頃っぽいですね

自分には前日の1/12に動画担当として声をかけていただいたのですが、私生活のことや今年2月末で活動一区切りつけようと考えていたこともあって一度断っていました。

その2月頃に自分にも御依頼が来た感じですね
エンジンの掛かりが悪すぎて御迷惑お掛けしました…

ユーザー情報非公開さんに動画の進め方を相談していて、「これは動画担当の人数が足らない」ということで信頼できる方としてえむくろさんが挙がったので依頼させていただきました。

一方で、まるくさんだけはお声掛けしたのは、2019年最初の手を付け始めた段階だったんですよね。

ですね 動画を作るのは2019年の4月以降ってお話しいただいて
気づけばそれから1年弱経ってましたね

だいたい目安で…と思ってお声掛けしたら思ったより時間がかかってしまい…その節はご迷惑をおかけしました

いえいえ、完成したので結果オーライです(?)

そして、2020年1月の構成完成の段階で改めて依頼して、制作がスタートした、という感じでしたね。

ですです

かなり前から企画が進んでたわけですね…

いきなりバラードゾーンのお話から

そんな中で、まるくさんだけは「エモいパートの動画を作れるのはこの人しかいない」と思って依頼しました。

エモは難しい

まるくさんは今でこそいろんなエモい動画を作ってるようなイメージがありますが、当時はそんなに作っておらず…。
実は「この人しかいない!」って思った動画は、セプテンバーの動画だったんですよね笑
セプテンバーが終わった後のなんとも言えない余韻の残し方が上手で、これは…!と思いお誘いしました笑

www.nicovideo.jp

まさかのセプテンBA

ネタ構成はできてもエモ構成なんてあまり想像すらできない(引き出しが足りない)

まるくさんの動画演出力は多方面での魅力がありますけど、特に落ち着いたパートで人を引き込ませる力という部分では随一だなと

動画作り始めたのがボカロPVマンに憧れてなので、音源の雰囲気を大事にするようにしてますね~
バラードの雰囲気を壊されるのは僕が嫌だから自分で作ろうと立候補してる部分が大いにあります

自分含めメドレーPV作る人、軽率にネタ方面に行って雰囲気壊しがちなので、まるくさんの演出方向性はかなり貴重
(例:自分担当の十年祭やえむくろさん担当の旅絵巻えーりん

www.nicovideo.jp

その旅絵巻えーりんのメイキング話ですが
「夏影に修造入れたいね」「でも修造入れたら雰囲気壊れるかも」
そんなやり取りの合間に晩飯食いながら思い付いたんです「逆に考えるんだ、修造で雰囲気壊そう」

オールスターメドレーのバラードって割とだんご3兄弟とかyouキャンセルとか、最近だとフリージアとか、ネタを挟んで展開することが多いですよね。
でも今回は絶対に「エモいバラード」を作ってやろうと思ってたので、演出の方向性をすぐに汲み取ってくれて本当に助かりました。

実は、バラードは最初は僕が絵を描いて動画にしようと思ってたんですよね。これは他人に任せられるのか…?主宰がなんとかするところかな…と思い。
それを伝えもしていないのに、初めて見せてくださった案が今とほぼ同じで、本当にびっくりした記憶があります。

アパッショナータのバラードはちゃんとしたストーリーがあったので、それをしっかり表現するには描くしかないなぁと思いましたね~

曲でイメージを伝えられたというのは凄い

ストーリーとかイメージとかは、確か文面で伝えたんですよね。

文面というか、アパッショナータの構成等がまとめられてるスプレッドシートにそれも書いてありましたね

f:id:ketoku:20200927133150p:plain
動画の演出指示。

構成でストーリーを創り上げるといえば『コラボレーション★ストーリー』を思い出しますね
あちらとはまた違ったアプローチですけども

www.nicovideo.jp

そうですそうです、コラボレーションストーリーとは結構似た方向性なんですよね。歌詞繋ぎって勝手に呼んでるんですけど、曲の意味合いであるストーリーを伝えるという
多分初めてやったのは「はちねんど合作」のぼくのパートだと思います。

nico.ms

MMDでドラマ風の演出してたところですね。当時観たときに挑戦的なことしてるという印象抱いた覚えがあります。

はちねんど合作の自分パートは、実は結構反応が悪いと感じていて…。いろんな挑戦を入れたんですけど、いまいち伝わっていなくて残念に思った記憶があります。
今回は、その反省を活かして、「いろんな挑戦をするけど、それを視聴者にわかってもらえるように作ろう」と思ったんですよね。それがバラードゾーンを含めていろんな動画上・アレンジ上の演出に繋がっているところはあります。

バラードの主題は「過去を振り返って過去に戻りたくなること」なんですが、バラード後はそれを受け入れつつ未来へと生きていこう、みたいなテーマになっています。
そこを象徴的に表すのがhopes and dreamsなんですが、このへんの演出の指示はかなりふわっとしてしまったんですよね…。 そこをうまく解釈して演出してくださったのがありがたかった

hopes and dreamsはストーリー上でも演出面でも区切りになるので慎重に流れを考えましたね 観てる人に手書きパートだけでストーリーは完結していないっていうのが伝わるかちょっぴし不安ですが

そこは不安が残りますね…。それを伝わるようにするためにもアララの呪文カサブタの歌詞を表示してもらうようにお願いしたわけですが、伝わるかな…?

流星群パート

そしてそれに続くのが流星群パートですね。
音源の方ではもちろんなるべく流星群感を出すように作っていただいたわけなんですけども、特にリトバスではそこを補助するように動画を作っていただきました。

そこで流星群PVを引用させていただきましたが、テンポ測ってみたらピタリ一致してて
「そういう事か…!」って思いましたね

それ以降の動画は割とおまかせする感じで作っていただきましたね。
個人的には、紅蓮の弓矢→紅蓮華の演出とかなるほどなって思いながら見ていました。

これは構成見てから即で考えてましたね
類例だと「Party 4U(num1000)→千本桜」を作った事があるのでそのノリで
そういう意図なら分かりやすい方が良いかなって

紅蓮繋ぎの可視化は全く想定してなかったんですけど、結果的にかなりいいアクセントになりました。
他にも十年祭での炉心融解→メルトの演出もそうでしたよね。こういうのは思いつかないから凄いなぁと思います。

そうそう、それもありました

あとはぼなぺてぃーと♥Sのサブリミナルギバラが印象的になってるなぁとかですね。
ぼくも動画をうっすら考えてたんですけど、イントロに誰かを割り込ませる動画が多くてどうしようかなぁと考えていたんですよね。まさかそう入れるとは…!と思った記憶があります

曲が曲だけに、どこかでギバラは入れたいなと思い最大限の効果を意識しました
「ギバラ草」と言っていただければ計画通りです

さきほどの旅絵巻の話でもそうでしたけど、えむくろさんは映像インパクトの瞬間風速の上げ方が上手いですよね

国際的男尻祭2019で同曲をメドレー担当してた事から映像引用しようと決めまして
ちょうど爆発シーンから始まるのでサブリミナルギバラとのコンボが成立しました

あああなるほどそうだったんですね。上手くハマってくれたわけだ

ニコメド映像依頼を通じて知らなかった曲に出会える事が割とあるのですが
今回は『はやくそれになりたい!』がそうでしたね
「こういう曲あるのか、知らなかった…!」そういう経験ができるのも醍醐味ってもので

そうなんですね!
はやくそれになりたい、ぼくも実はちゃんと聞いたのは構成してからだったのですが、めちゃくちゃいい曲ですよね笑

もう「なんだこの元気になりまくる曲」って、初聴きのインパクトが
やはり映像作るなら原作履修しなきゃってわけで色んな経験ができますね

そうですね、それこそマクロスFパートは僕が担当することになりましたが、これは原作履修者が僕だけだったからっていうのもあったりしますからね…笑
また、実は流星群パートってリトバスと紅蓮華以外全部弾幕が流れるようになっているので、そのあたりも楽しんでいただければと思っています!

そうなん(気づかなかった)

バラード明けのコメントの盛り上がりが楽しみですねこれ

マクロス~私の時間

マクロスパートの担当はどうなるか気になっていましたけど、Ketokuさん自身であれだけの映像作っててすごさを感じました。

これは原作履修者が僕だけだったからというのもありますが、何よりも先にできあがっていたユーザー情報非公開さんとまるくさんの動画を見てどうしても動画を作りたくなってしまったからなんですよね…!
なんとか僕が作れそうなパートはどこかと探したところ、マクロスFパートとその後があるじゃないか…!と思い、作らせていただいた感じです。

3D空間で曲線引くのってかなり難しい認識だったので、それを簡単にやってしまうとは

3D空間で曲線引けたのはaviutlのスクリプト使えば簡単にできたり…むしろカメラの同期がしんどかった覚えがあります。マッチムーブなどはできず、手動でカメラの動きを調整したのが一番つらかったですね…。

なるほど…Aviutlだと簡単にできるんですね…

最初の最初は僕が履修してマクロスパート作ろうってなってましたね~
けーとくさんが作ることになったので他のやつの履修を先に進めちゃいましたが(京アニメド制作中だった)

そうそう、僕が作らなければまるくさんにお願いする予定でした
「全話見ますよ!」って言ってくださって、こちらもびっくりした記憶があります

京アニメドつくるためにいろんなアニメをずっと見ていて、大体見終えたあたりだったので

そのあたりのフットワークの軽さと動画にかける想いも凄いんですよね…。

まるくさんはCANTABILEのAngel Beats!パートでも10秒弱のパートのために本編全部見た話してましたし、コンテンツ理解の熱意が本当にすごいです。
バラードゾーンなんてまるくさんが生まれてない頃ですからね…

自分も別の映像案件で『恋の2-4-11』の背景から原作の艦これまでメッチャ勉強しました(当時提督ではなかった)
そうやってアンテナを広げていくのがニコメド映像制作には必要かと思います
実際、にしたけさんの圧倒的知識量にかなり助けられましたし

やっぱ元コンテンツを理解していないといい動画が作れないですからね
熱意ももちろんありますが、過去の作品で理解不足で起こした失敗を繰り返したくないっていう思いもかなりあります

そのストイックさは尊敬の一言に尽きますね。
他に自分のパートでこだわったところだと、Tell Your Worldの演出が挙げられますね

私の時間→Tell your worldでミクが小さな存在からGoogleのCMになるような大きな存在になったことを表すためにMMDモデルを切り替える演出を入れたり、「たくさんの点が線になって遠く彼方へと響く」という歌詞を反映して動画(点)を打ち上げて彼方(頭上)へと上らせるような演出をしました。

先ほどのはちねんど合作のときにも使われてたMMDの技術が大いに生かされてましたよね

そうですね。とはいえはちねんど合作とこれでMMD使うの2回目だったり……
がんばりました

2回目だったんですか…

こういった演出は自分にはできませんね…

MMDは少しだけ囓った事ありますが、極めようとすると果てが無いですね
いつか本格的にやりたいけど時間が足りぬ…

僕もごまかしながらなんとか使った感じなので、いつかちゃんと触りたいところですね